中小企業のための健康経営入門 第23回「守りの健康経営/リスクマネジメント」
- 康彦 和田
- 2024年4月8日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月20日
みなさまこんにちは。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦です。
中小企業のための健康経営入門、今回のテーマは「守りの健康経営/リスクマネジメント」についてです。

☛今回のポイント
▪リスクマネジメント
① リスクマネジメントとは、企業がビジネスを進めていく上で経営に影響を及ぼすリスクを正確に把握し、事前に対策を講じることで、損失等の回避や低減を図ることをいう。
② 職場における労働者の安全と健康の確保については、「労働安全衛生法」によって企業の義務とされている。従業員にけがや病気がなく、健康を維持していくことは当然のことであるが、その先の従業員が健康を害することで起こる事故や労働災害発生の予防にも目を向ける必要がある。
③ 企業には、従業員が安全に働くことができるよう必要な措置をする「安全配慮義務」がある。仕事が原因で従業員が負傷したり病気になったりした場合に、企業は「安全配慮義務」違反を問われ、高額な賠償責任を請求される場合がある。
④ 健康経営を推進して従業員の健康づくりに取り組み、事故や労働災害の発生を予防することは、事故や災害による損失を回避し、さらに病気の予防による保険料など企業負担の低減につながる。
▪労働災害発生の予防
① 従業員が業務中や通勤途中に発生した事故や災害などによって負傷したり、疾病にかかったり,障害が残ったり、死亡したりすることを労働災害(労災)という。
② 労働災害が発生した場合には、速やかに発生状況の確認や原因の特定を行い、対策を講じる必要がある。そして講じた対策を確実に実行し、ほかの事業場における類似災害の発生を防止できるように取り組むことが大切である。
▪労働災害の発生状況
① 厚生労働省が発表した「令和3年労働災害発生状況」によると、2021年(令和3年)1月~12月までの労働災害による死亡者数は867人、休業4日以上の死傷者数は149,918人で、前年と比べると死亡者数は65人増加、休業4日以上の死傷者数は18762人増加している。
② 業種別では、保健衛生業が最も多く、次いで製造業、商業、陸上貨物運送事業となっている。
③ 労働災害で多いのは「転倒」「墜落・転落」事故、「動作の反動、無理な動作」の順になっている。
④ 年齢別では、50歳以上の労働者の労働災害が全体の半数を占め、60歳以上の労働者の労働災害は25.7%と4分の1を超えている。加齢とともに、体力や筋力の低下など高年齢労働者の健康課題に配慮した安全対策が求められる。
⑤ 外国人を雇用する事業者数、外国人労働者数は年々増加しており、習慣の違いや日本語の理解が不足している外国人労働者が安全に働けるような職場環境を整備することも守りの健康経営として重要である。
以上、今回は「守りの健康経営/リスクマネジメント」について解説させていただきました。
あなたの会社でも健康経営を始めてみませんか。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦が伴走・サポートさせていただきます。
出典:東京商工会議所



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