中小企業のための健康経営入門 第25回「ワーク・エンゲイジメント」
- 康彦 和田
- 2024年4月14日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月20日
みなさまこんにちは。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦です。
中小企業のための健康経営入門、今回のテーマは「ワーク・エンゲイジメント」についてです。

☛今回のポイント
① ワーク・エンゲイジメントは、健康増進と生産性向上の両立につながる鍵概念として、メンタルヘルス対策でも注目されています。
・ワーク・エンゲイジメントとは、「仕事に誇りややりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)、「仕事から活力を得て活き活きとしている」(活力)の3つが揃った状態であり、バーンアウト(燃え尽き)の対概念として位置づけられています。
・ワーク・エンゲイジメントの高い従業員は、心身の健康が良好で生産性が高いことがわかっています。
・従業員一人一人が健康で生き生きと仕事に取り組むことは、従業員の幸せ(ウェルビーイング)にとっても、組織全体の生産性にとっても重要です。
・ワーク・エンゲイジメントに対する概念としてワーカホリズムがあります。ワーカホリックな人は「強制的」に働くのに対して、ワーク・エンゲイジメントの高い人は「充実感を覚えながら」働くという違いがあります。
・これまでの研究では、ワーク・エンゲイジメントの高い人は①健康に関しては、心身の健康が良好で睡眠の質が高いこと、②仕事・組織に対する態度では、職務満足感や組織への愛着が高く、離転職の意思や疾病休業の頻度が高いこと、③パフォーマンスでは、自己啓発学習への動機づけや創造性が高く、役割行動や役割以外の行動を積極的に行い、部下への適切なリーダーシップ行動が多いことなどが分かっています。
② ワーク・エンゲイジメントを高めるための方法は、組織ができる工夫と従業員個人ができる工夫に整理することができます。
・組織ができる工夫では、従業員の「外的資源」、つまり職場内の仕事の資源を増やすことで、従業員一人一人の、さらには組織全体のワーク・エンゲイジメントを高めることを狙いとしています。
・従業員個人ができる工夫として、仕事への自信(自己効力感)を高める方法、仕事のやりがいを高める方法(ジョブ・クラフティング)があります。
・自己効力感を高めるためには、ストレスに対処するためのスキルのほかに、仕事を上手に進めるためのスキルに注目することが必要です。例えば、時間を上手にコントロールするためのタイムマネジメントスキル、上司、同僚、利用者などとの人間関係を円滑にするためのコミュニケーションスキル、直面した問題を解決するための問題解決スキル、設定した目標を達成するための目標達成スキルなどです。
・ジョブ・クラフティングとは、仕事のやりがいを高める工夫であり、従業員が自らの仕事を変化させながら仕事の意義をたかめていく主体的プロセスといえます。
以上、今回は「ワーク・エンゲイジメント」について解説させていただきました。
あなたの会社でも健康経営を始めてみませんか。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦が伴走・サポートさせていただきます。
出典:東京商工会議所



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