中小企業のための健康経営入門 第26回「ウェルビーイング」
- 康彦 和田
- 2024年4月15日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月20日
みなさまこんにちは。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦です。
中小企業のための健康経営入門、今回のテーマは「ウェルビーイング(well-being)」についてです。

☛今回のポイント
① ウェルビーイング(well-being)とは、身体的、精神的、社会的に良い状態を表し「健康」や「幸せ」よりも広い意味を持つ概念です。
・ウェルビーイングは、1946年にWHOの健康の定義の中で使われた言葉です。
・日本の産業界においても幸せやウェルビーイングの重要性が認識されつつあります。
・例えば、京セラ、KDDI、JALなどの経営を行ってきた稲盛和夫氏は、かねてより経営理念を「全社員の物心両面の幸福」としてきました。
・トヨタ自動車の豊田章男社長は「トヨタの使命は幸せを量産すること」、積水ハウスの仲井嘉浩社長は「『我が家を世界一幸せな場所にする』と表明するなど、従業員や顧客の幸せを口にする経営者が増えています。
・また自民党内で「日本well-being計画推進特命委員会」が行われるなど、政治の世界でもwell-beingが注目されています。
・健康経営、働き方改革、人的資本経営の文脈においても、ウェルビーイングの重要性が叫ばれています。
② 幸せな従業員は不幸せな従業員よりも創造性が3倍高い、生産性が30%高い、欠勤率が低い、離職率が低いなど、多くのことが明らかになっており、従業員の幸せを重視することが、企業の長期的な利益につながります。
・幸せな従業員は、利他的で、他人を助け、チャレンジ精神が強く、仕事への満足度が高く、エンゲイジメント(会社や仕事への没頭の傾向)が高く、モチベーションが高く、レジリエンス(危機から立ち直る力)が高く、出世も早いことが知られており、いまや精神論は科学になり、従業員が幸せに働いているか否かというパラメータも考慮して経営を行うことが、科学的・合理的な経営をなってきています。
③ 幸せの4つの因子や、働く人の幸せ/不幸せの14因子のほか、幸福を高めるためのさまざまな方法を実践し、幸福を含む健康経営を行いましょう。
・幸せの4つの因子の第一因子は「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)」です。何事にも前向きにチャレンジしている人は幸せです。
・第2因子は、「ありがとう!因子(つながりと感謝の因子)」です。感謝する人や利他的で親切な人、多様な友人を持つ人は幸せです。
・第3因子は「何とかなる!因子(前向きと楽観の因子)」です。ポジティブで楽観的で、細かいことを気にしすぎない人は幸せです。
・第4因子は「ありのままに!因子(独立と自分らしさの因子)」です。自分軸をもって人と比べすぎずにわが道を行く人は幸せです。
・働く人の幸せの7因子とは、自己裁量因子(マイペース因子)、自己成長因子(新たな学び因子)、リフレッシュ因子(ほっと一息因子)、他社貢献因子(誰かのため因子)、役割認識因子(自分ゴト因子)、他社承認因子(見てもらえている因子)、チームワーク因子(ともに歩む因子)の7つから構成されています。
・働く人の不幸せの7因子は、オーバーワーク因子(ヘトヘト因子)、自己抑圧因子(自分なんて因子)、不快空間因子(環境イヤイヤ因子)、評価不満因子(報われない因子)、協働不全因子(職場パワハラ因子)、疎外感因子(独りぼっち因子)、理不尽因子(ハラスメント因子)の7つで構成されています。
④ 幸せな人は不幸せな人よりも寿命が7年から10年長いという研究結果や幸せな人は免疫力が高く、健康であるという研究結果もあります。これからは、「健康に気を付ける」ように「幸せに気を付ける」時代です。
以上、今回は「ウェルビーイング(well-being)」について解説させていただきました。
あなたの会社でも健康経営を始めてみませんか。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦が伴走・サポートさせていただきます。
出典:東京商工会議所



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