健康経営の具体的取り組み③ ヘルスリテラシー向上のための教育機会を設定しましょう。
- 康彦 和田
- 2024年5月22日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月24日
みなさまこんにちは。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦です。
中小企業のための健康経営の具体的な取り組み、今回のテーマは「ヘルスリテラシー向上のための教育機会設定について」です。

☛今回のポイント
① 従業員のヘルスリテラシーが低いことは、個人の健康だけでなく、職場や会社の健康や生産性に影響する。
ヘルスリテラシーとは一言でいうと「健康に関する基本的能力」のこと。WHOでは「良好な健康状態の維持・増進のために必要となる情報にアクセスし、理解し、活用する個人の意欲や能力を決定づける認知と社会的スキル」と定義している。
また、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにしていく『能力』」と捉えることもできる。
つまり、ヘルスリテラシーという大切な「能力」を高めることの支援が健康教育の大きな役割といえる。
② ヘルスリテラシーが低い人の傾向とは
ヘルスリテラシーが不十分な人の傾向としては次のようなことがあげられる。
1. 病気、治療、薬などの知識が少ない
2. 医学的な問題の最初の兆候に気づきにくい
3. 長期間または慢性的な病気を管理しにくい
4. 保健医療専門職に自分の心配を伝えにくい
5. 慢性の病気のため入院しやすい
6. 職場でケガをしやすい
7. 死亡率が高い
③ ヘルスリテラシーを高めるためには3つの要素を理解することが重要である
ヘルスリテラシーを階層別に分類すると、
1. 機能的ヘルスリテラシー:日常生活場面で有効に機能する健康に関する読み書きの基本的能力
2. 相互作用的ヘルスリテラシー:さまざまな形のコミュニケーションによって健康に関する情報を入手したり価値を引き出したりして、新しい情報を適用できる能力
3. 批判的ヘルスリテラシー:健康に関する情報を批判的に分類し、日常の状況や事象をより広範にコントロールするために活用できる能力
以上の3つに分類することができる。
現代社会では、インターネットやICT等の発展に伴って膨大な情報で溢れており、パソコンやスマホから得られた情報をそのまま受け止めるのではなく、「これって本当かな?」とまず疑問を持つ「批判的リテラシー」が重要になってきている。
④ 社内で教育機会を設定するうえで、ヘルスリテラシーの強化に有効となるためのポイント
1. 経営層によるリーダーシップ、
2. 経営層から一般従業員、家族まで巻き込むこと、
3. 幅広い学習機会や様々な教育アプローチによって職業生活を通じて学び続けることが重要である。
健康経営優良法人の認定基準項目として、「1年度に1回以上の健康をテーマとした従業員研修の実施」または「月1回以上の健康をテーマとした情報提供」という項目があり、、まずはこれをクリアすることを目的にヘルスリテラシーの向上に取り組んでいきたい。
以上、今回は「ヘルスリテラシー向上のための教育機会設定」について解説させていただきました。
あなたの会社でも健康経営を始めてみませんか。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦が伴走・サポートさせていただきます。
出典:東京商工会議所



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