健康経営の具体的取り組み④ 適切な働き方を実現しましょう。
- 康彦 和田
- 2024年5月23日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年6月24日
みなさまこんにちは。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦です。
中小企業のための健康経営の具体的な取り組み、今回のテーマは「適切な働き方の実現」についてです。

☛今回のポイント
① 「働き方改革」とは
・2018年に「働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関連法律の整備に関する法律)」が成立し交付される。
・「働き方改革」とは、労働者が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択できる」社会を実現するための改革である。
・働きすぎを防ぐことで労働者の健康を守り、多様な「ワークライフバランス」を実現できるよう、長時間労働の是正や年次有給休暇の取得促進など、企業は具体的な対応をしていく必要がある。
・労働時間を業種別でみると、2021年は「建設業」が1984時間と最も長く、次いで「運輸業、郵便業」が1963時間、「情報通信業」が1900時間、「製造業」が1871時間となっており、「全産業平均」1633時間を大きく上回っている。
② 年次有給休暇の取得状況
・働き方改革により、2019年4月から年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対して、使用者は年5日以上、時季を指定して付与する義務が課せられている。
・厚生労働省「就労条件総合調査(令和4年)」によると、企業が2021年の1年間に付与した年次有給休暇の日数は労働者1人平均17.6日で、そのうち労働者が実際に取得した日数は10.3日、取得率は58.3%となっており、1984年以降、取得日数、取得率ともに過去最多となっている。
・取得率を企業規模別にみると、大企業に比べ中小規模事業場の取得率は低い傾向にある。
・業種別では、「宿泊業・飲食サービス業」の取得率が44.3%と最も低く、次いで「卸売業、小売業」が49.5%と取得率平均58.3%を大きく下回っている。
③ 高年齢労働者の増加
・総務省の労働力調査によると、2021年における年間平均就業者数は6667万人で、そのうち15-64歳の就業者数は5755万人と前年に比べ16万人減少している。
・一方で65歳以上の就業者数は912万人で前年に比べ6万人増加。就業者全体の13.7%を占めている。
・2021年4月1日からは、高年齢者雇用安定法の一部が改正され、企業は70歳までの就業確保措置を講じることが努力義務となっている。
・企業は今後ますます増加が予想される高年齢者が働きやすい職場づくりを推進している必要がある。
④ ワークライフバランスの必要性
・少子高齢化や人口構成の変化や減少が進む中、我が国が持続的な成長を実現していくためには、各々の国民がその個性に応じた多様な能力を発揮できる社会の構築が重要な課題となっている。
・2007年12月に策定された「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」が目指すのは、
1. 就労による経済的自立が可能な社会
2. 健康で豊かな生活のための期間が確保できる社会
3. 多様な働き方、生き方が選択できる社会である。
⑤ 長時間労働の削減に向けて
・働き方改革関連法の施行により、時間外労働は1ヶ月45時間、1年間360時間を上限とする法律による規制がある。
・時間外労働を削減するためには、時間外労働が発生している原因を探り、課題を抽出し、その課題に即した対策を立てて実行していくことが重要で、人員体制や業務分担の見直しを図る必要もある。
・勤務間インターバル制度とは、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、労働者の生活時間や睡眠時間を確保する制度である。企業は勤務間インターバル制度を導入することが努力義務として課せられている。
・フレックスタイム制とは、あらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻や労働時間を自主的に決めて働く制度であり、仕事とプライベートのバランスを取りながら働くことができる仕組みである。
以上、今回は「適切な働き方の実現」について解説させていただきました。
あなたの会社でも健康経営を始めてみませんか。健康経営エキスパートアドバイザーの和田康彦が伴走・サポートさせていただきます。
出典:東京商工会議所



コメント